職場でのコーチングは機能するのか

企業でコーチングを導入しようとしている、またはすでに導入しているところも増えてきていると思います。 社内で行われるコーチングで、部下の育成をするということは実は難易度がかなり高いのです。


部下からすると選ぶことの出来ない押し付けられたコーチになります。押し付けられた逃げ場の無いコーチングは部下に負担になります。


上司の側で捉えると相手の話しを聴く事ができるコーチングスキルを仕事の合間に習得する必要があります。テキストで学び、コーチを付け、コーチングを実践する3拍子を仕事のサイクルの中に取り入れねばなりません。(時間と費用と労力は莫大です)


通常上司は部下の面倒を見て、昼ごはんをご馳走し、夜は飲みに連れていき、部下の為にお金を使います。部下の為に使う出費はかなりのものだと思います。それだけ部下に費用を払い続けながらも、当然ながら上司は部下からお金をもらってコーチングすることはできません。


そして仕事上では部下の成功を祈り、100%味方になり、成功するように助言したり、サポートしたりします。


しかし現実はマネジメントを会社から任されているにも関わらず、個人の成績ばかり評価の対象になり、部下の成績が上がれば部下だけが評価されて、その上司が評価されないケースが多い。


そしてスキルアップした部下は、その上司を踏み台にして、のし上っていくかもしれません。そんな不安に怯えながら部下の能力開発に真剣に取り組める奇特な方はこの世に存在するのでしょうか?


聞くに堪えないつらい話を我慢しながら、そしてその話を当然ですが無料で聞きながら、その人がやりたいことを発見するまで、じっと我慢し、その人主体で見つけていかなければなりません。


また、上司は仕事上でこうすれば上手くいくということを判っていても、それを教えることを『ぐっ』とこらえて、答えは部下の中にあると信じ、部下が答えを見つけるまでサポートすることは超高等技術を要するといえます。職場にコーチングを取り入れるということは上司の負担が莫大なものとなることは間違いありません。


通常は上席になればなるほど、態度がでかくなり、部下に罵声を浴びせている方々多いです。そんな方々がある日突然 『僕は君の味方です!』と満面の笑みを浮かべて接近してきたら部下はどのように思うでしょうか?

そしてそんなことできますか?上司は聖人君子ではありません。生身の人間です。

 

ビジネスコーチングが上手くいく条件

1.職場でのビジネスコーチングは、上司がコーチングの技量が相当高いものを持っている。

2.上司は部下に我慢強く接していくことができ、上司はは部下に普段からお金をたくさん支払いながら、ビジネスコーチングで1円ももらえないことを理解している。

3.上司は部下に対して無償の愛を惜しみなく降り注ぐことができる人で、部下を常に優しく包み込むことができるような人物である。


4.上司はスーパービジネスマンでどの部下より仕事で負けることが無いスキル、経験をもっていて人間的に尊敬できる人物である

少なくてもこの4つ要素がなければビジネスコーチングは機能しないと言っても過言ではないでしょう。


きれい事ばかり並べて、コーチングスキルを勉強し、“コーチングタイム”だけにコーチングを部下に使っても、部下に見透かされてしまうところが関の山でしょう。


つまりコーチングは完璧な人がやらないとビジネスコーチングは成り立たないということです。


それは無償の愛ということになると家族に対する愛情と同じくらいのものを部下に捧げることができる人間でないとコーチングは出来ないということです。


部下が5:家族が4:自分が1という比率を常に持ち、自分が仕事をさせてもらっているのは部下のおかげであると普段から部下に感謝できない人はコーチとしても無理があるということです。


コーチングが完璧かどうかという点は、コーチ(上司)が完璧かどうかということです。


それでもコーチングをビジネスに導入したいと思いますか?

 

職場におけるコーチングは機能するのか U

コーチングを企業が導入するにあたり、コーポレートコーチを雇うケースがあります。
内容は会社組織の上層部からコーチングを導入するための教育をコーポレートコーチがしていきます。


1.社長含む幹部へのコーチング
2.マネージャー層に向けたコーチング研修
3.現場社員に向けたコーチング研修

等があります。


しかし、1週間に一度会社に顔を出して、一部のスタッフにコーチングするだけで、会社の業績が上がるのでしょうか?


世の中そんなに甘いものではありません。はっきり言いましてそんな神様のような人間は存在しません。


しかし常にグループの長たる人間が全て、ビジネスコーチの役割を果たすなら・・・風通しの良い会社になり、意思の疎通が図られます。


ビジネスには現場の研ぎ澄まされた感性と経験とセンス、またその会社の持っている強みが機能して業績アップとなるのです。


会社の歴史のたな卸し、会社を取り巻く環境、現状の課題を整理分析し、ビジョンを描き対策を講じていくことが大事です。


その部分でコーポレートコーチが活躍できれば良いですが、これはコンサルタントでも出来る仕事です。また優秀な一般社員でも充分役割を果たせます。


それでもコーポレートコーチを雇いますか?

職場におけるコーチングは機能するのか V

もうひとつの選択肢としてコーチのトレーニング機関で社員を教育させるという方法もあります。その場合はどうなるでしょうか?


1.プログラム終了まで3年間かかり、費用は1人あたり60万円以上かかります。10人勉強させたら600万円以上費用がかかります。


2.コーチングは無駄を省く考えが根底にあり、ゴールへの最短コースを描いていくため、今の会社に不満がある場合、理想を求めて、会社を辞めて独立するかもしれません。(MBAを習得して会社を辞めるケースと似ているかもしれません。)


3.コーチングの勉強を深めることで、会社の仕事よりもコーチングに力が入ってしまい副業(コーチング)に専念し、仕事がおろそかになってしまう可能性がある。

コーチトレーニング機関で勉強させるということは上記のようなリスクが伴います。


それでもコーチトレーニング専門機関で社員を勉強させますか?


結論

コーチングは1:1のセッションで目標達成のためにじっくり取り組むのが望ましく、業績アップの為に会社に導入するにはいろんな条件をクリアしないと実現が難しいかもしれません。